アガベのベアルート株や抜き苗を入手した際、 「発根管理の前にどのような下準備をすれば良いのかわからない」 と迷われる方も多いのではないでしょうか。
発根管理を成功させるためには発根管理方法そのものよりも管理に入る前の下準備が非常に重要になります。
今回は、セドリックプランツが実際に行っているベアルート株・抜き苗の発根管理前の準備と処理方法について、順を追って解説していきます。

まずは株全体の状態を確認する
最初に株全体をよく観察し傷んでいる葉やシワシワの葉がないかを確認します。

アガベの葉は一度痛んでしまうと元に戻ることはありません。 そのため明らかに傷みが進んでいる葉については発根管理前の段階で外してしまって問題ありません。
ただし、成長点に近い上部の葉を外しすぎると株が頭でっかちになり、バランスを崩す原因になります。上の方の葉が軽く傷んでいる程度であれば、 無理に外さずそのまま残しておく判断も有効です。

下葉の処理(発根管理の下準備)
次に、下葉の処理を行います。
下葉は発根管理で新しく出てくる根の邪魔になるため、 基本的には下から順に外していきます。アガベの葉はロゼット状に展開しているため、 処理する際は必ず一番下の下葉から行いましょう。
薄く小さい下葉は手でそのまま外すことができます。 株に対して下方向に軽く圧をかけると比較的簡単に外れます。



肉厚で硬い下葉の場合は葉の中央にハサミで深めの切れ込みを入れ、上葉に沿わせるように左右に分けながらスライドさせて外します。


引っ張るのではなく、 上葉に沿って剥がすイメージで作業してください。
葉の付け根中央には子株の成長点があるため、 この部分を傷つけないようにゆっくり丁寧に作業することが重要です。

下葉の付け根に残る葉肉の除去
下葉を外していくと、 葉の付け根に葉肉が残ることがあります。この葉肉が残っていると乾燥して硬くなったり腐敗の原因になることがあります。
ピンセットなどを使いできるだけ葉肉が残らないように処理してあげると、 その後の発根管理が安定します。


根の処理(生きている根・枯れた根の見分け方)
次に根の状態を確認します。
黒く乾燥している根やカサカサして明らかに枯れている根は、すでに役目を終えているためハサミで切り落として問題ありません。
古い根を残しておくと新しく出てくる根の妨げになるためなるべく短く切り詰めます。

一方で、白くみずみずしく触ると弾力のある根は生きている可能性が高いため、切らずそのまま残します。


中株(葉数のある株)の場合は上の写真ように下葉を剥がし多めに芯を露出させます。下葉を多く残したい方やまだ株が小さい場合は最下部の下葉を1枚もしくは2枚ほど落としてください。
ここまでやると発根管理の下準備は完了です。
では発根管理を始めましょう!
余談:子株の成長点と根のカルスの見分け方
子株の成長点
下葉の根元には子株の元となる成長点が存在します。成長点の最初は白くぷっくりとした豆状で、 成長とともに緑色へ変化していきます。子株は上方向または横方向に膨らんでいく傾向があり、芯のやや上側に存在します。


根の成長点(カルス)
根の成長点(カルス)は、 うっすら茶色がかった色合いで下向きまたは横方向に膨らんでいき、芯のやや下側にできます。

写真中央の黄色い膨らみは根の成長点(カルス)です。その左斜め上に隣接している白い膨らみは子株の成長点です。
見た目が非常に似ているため混同しやすいですがどちらも重要な部分です。できる限り触らず、傷つけないことが大切です。
発根管理に入る判断基準
すでに根のカルスが確認できる場合は発根管理を行わず、そのまま通常の用土に植え込んでも問題ありません。
ただし、 株全体にシワが入り始めたり株色が赤黒く変化してきた場合は水分を吸えていないサインのため、 発根管理が必要になります。

発根管理はすぐに根が動く株もあれば1年近くかかる株も存在します。焦らず株の変化を観察しながら気長に管理を続けていきましょう。
発根管理の具体的な方法については別の記事で詳しく解説しています。
以下の記事もあわせてご覧ください。
