アガベの胴切りのやり方|チタノタ オテロイで成功させる方法と失敗例・子株を増やすコツ
アガベを増やす方法のひとつに胴切りがあります。
特に人気のアガベ・チタノタ オテロイでは、胴切りによって子株を増やす手法としてよく使われます。

しかし、
- やり方を間違える
- 株の状態を見極められていない
と、失敗して枯れるリスクもあります。
この記事では
- アガベの胴切りのやり方
- 成功させるための条件
- 失敗しやすいポイント
- 胴切りの時期
- 子株を増やす仕組み
を詳しく解説します。

アガベの胴切りとは?
アガベの胴切りとは、
株の途中をカットして成長点を分断することで子株を増やす方法です。
成長点を失った株は、「生き残るために子株を吹く」という性質があります。
これを利用して、1株から複数の子株を増やすのが胴切りです。
他にも縦割りや天潰しといったやり方もありますが一番オーソドックスな胴切りについてお話します。
胴切りを成功させる条件
アガベの胴切りを成功させるために最も重要なのが根の充実度です。

根が弱い状態で胴切りをすると、
- 株が著しく弱る
- そのまま枯れる
胴切り後は親の根がほぼ成長しなくなるため、現状ある根で子株を成長させる必要があります。
■ 根が充実している目安
- 株を押してもブレない。これは最低限必要です。
- 鉢を触ると硬い。根が充実している証拠。
この状態であれば、胴切りに適しています。
■ しっかり展開している株を使う
葉がしっかり展開している株をベースにするのが理想です。葉の数分子株が吹くため胴元に葉数が必要です。胴元に葉が2枚しかない場合は子株は2株程しか出ません。
また、古い下葉は子株の成長点が枯れている可能性があり子株がでない場合があります。オアハカの現地球や抜き苗にした期間が長い場合も同様です。
未成熟な株はリスクが高いため避けましょう。
今回はオアハカ現地実生株を胴切りしていこうと思います。
イベントで2日間外出した際にLEDの出力がなぜか100%になっており、10万ルクスの光を二日間受けて葉焼けてしまいました。

胴切りに向いている株の見分け方
アガベの株姿は、胴切りの成功率に大きく関わります。
■ 向いていない株(徒長気味)
徒長している株
- V字に葉が立つ
- 葉のまとまりが弱い
V字に展開している株は胴切りの際にPEラインが根元まで入りにくい為、切断したい位置より上部を切断してしまい胴切りの天がバラバラになります。バラバラになった天は残念ながら枯れます。
この事象が胴切りの失敗例で一番多いです。
■ 向いている株(締まっている株)
理想的なのは
- 下葉がしっかり寝ていて、その上に上葉が乗る株
- ハスの花のような形状
このような株は、胴切り成功率が高いです。
アガベ胴切りのやり方
それでは実際の胴切りの手順を解説します。
■ 使用する道具

おすすめは
PEライン(釣り糸)
- 2号〜4号
- やや太めが使いやすい
刃物よりも安全で、ラインのコーティングが葉の間を滑りやすく綺麗に切断できます。
■ アガベ胴切りのやり方解説
1.全体を観察、鉢から抜く

まずは観察し胴切りする位置を決めます。
この位置決めが成功と失敗を分けますのでしっかり確認しましょう。

胴切りする場合は一度鉢から抜くのをオススメします。
鉢に活着している際はゴムハンマーで鉢の底面を叩くと抜きやすいです。


今回の株は子株があるので、まずは子株から外していきます。
2.子株が外せる場合は外す
胴切りした後に子株の成長ブーストがかかるので発根している子株は先に外しておくと根が絡まる前に外せます。上記でも説明したように胴切りした株は根の成長がほぼ停止するので、なるべく根を傷つけないようにする必要があります。

3.下葉を2枚ほど外し、鉢に戻す
下葉を外す目的はPEラインを通す際に下葉を押し下げ、通しやすくするために空間をとることです。
また古い下葉は子株の成長点が枯れこんでる場合もあるため2枚ほど外しておくのがオススメです。


7割ほどハサミで切り込みを入れ左右に分けるように引っ張ると簡単に外せます。

鉢に戻す際に少し鉢の中に砂を入れてから株を戻します。株が少し上に固定されるので胴切りしやすくなります。
4.PEラインを通す
株全体を観察し、なるべく下葉が寝ている箇所の下を切るためPEラインを通す位置を確認する。胴切りした際に下葉を多く残したいのは分かりますが切る位置が上すぎるとバラバラになるリスクが高くなります。上葉になればなるほど葉の付け根は「V字」になっています。

胴切りしたい箇所にPEラインを巻き付ける。
鋸歯に引っかかっていないか、良く確認しながら慎重に株の芯にPEラインを滑らせて送ります。
強く引きすぎると途中の葉に食い込むので慎重に行ってください。
胴切りで一番大切な作業です。

5.PEラインを引っ張り切断する
芯まで入っているのを確認しPEラインを左右にゆっくり力を加え引っ張ります。
写真ではボビンとピンセットにPEラインを巻き付けてますが、握りやすいドライバーのグリップなどに巻き付けると力が入りやすいです。
革の手袋などを装着すると安全です。

この際、異様に硬く切りずらい場合は芯までPEラインが入っておらず、芯の少し上の葉に食い込んでいる場合があります。このまま引くと株がバラバラになるリスクがあります。
この現象は下葉が寝ていない箇所を通しているとなりやすいです。
6。胴切り完成
胴切りした上の部分を「天」、又は「胴切り天」と言います。
切り口が湿っている為、1週間は最低乾燥させてください。
乾燥せずに濡らすと痛みが入ります。

発根管理方法は記事にしていますのでそちらをご覧ください。
アガベの発根管理【本当は教えたくない一番簡単な発根のさせ方】


今回はPEラインが非常に入りにくかったので想定の位置より下側で切断したため3枚+外した下葉2枚分を残すようにしました。本当はもう少し胴側に葉を残したかったのですが失敗を恐れ安全策を選択しました。
このことから分かるように基本的にアガベは葉の数分の子株がでる為、ある程度下葉が無いと胴切りしても子株がでる数が少なくなります。
切断した切り口は必ず乾燥させてください。
水が非常に溜まりやすいので水やりは底面から腰水等で与えてください。

砂を戻す際に少量の緩効性肥料も混ぜ込んでおきます。
以上が胴切りの一連の流れになります。
切断後の処理について
基本的に
何もしなくても問題ありません。
ただし不安な場合は殺菌剤を切断面に塗布するのも有効です。
- ベンレート
- ダコニール
セドリックプランツでは殺菌剤は使っておりません。
胴切りの失敗パターン
最も多い失敗が成長点上側を切断してしまう事です。
■ 成長点が下に残った場合
- 上葉がバラバラにほどける
- 天及び胴元の切断面がネギの切断面のように年輪が見える
これは成長点より上を切ってしまった状態です。


■ アガベの成長点潰し(芯潰し)とは
胴切りが失敗した場合に使う方法が成長点潰し(芯潰し)です。
株の成長点が胴側にある場合、そこから元に戻ろうと成長しますので成長点を潰す必要があります。
切断面の1㎝程下までナイフなどで十字に刺します。
しばらくしても切断面の中心から展開が無ければ成長点潰し成功です。
ただし、正常に胴切りできた場合は成長点自体が胴元に存在しないため不要な作業です。

胴切り後の変化|子株はいつ出る?
胴切りを行うと、
1〜2週間ほどで子株が動き出します。

■ 子株が出る場所
- 切断面の葉の付け根
- 株元の葉の付け根(根の近く)
目に見えない根元部分の子株が先に動く場合もあります。

■ なぜ子株が増えるのか?
胴切りをすると本来の成長点がなくなるため、「アガベは増えて生き残る」方向へシフトします。
これがアガベを胴切りで増やす仕組みです。

胴切りの時期について
アガベの胴切り時期は成長期が最適です。
屋内で室温が25度前後で安定している場合は年中可能です。
屋外の場合は
- 春〜初夏
- 夏の終わり~秋
このタイミングで行うと成功率が上がります。
冬は避けた方が無難です。
アガベ胴切りまとめ
- 胴切りは子株を増やす有効な方法
- 成功のカギは「根の充実」
- 締まった株を使う
- PEラインで切断する
- 成長点の位置を見極める
- 約1〜2週間で子株が動き出す

アガベの胴切りは一見ハードルが高そうですが、
ポイントを押さえれば誰でも実践可能です。
失敗する場合もありますので各自のご判断でお願いいたします。
チタノタ、オテロイなどの優良株を増やす手段として、
ぜひチャレンジしてみてください。
楽しいアガベライフを。

セドリックプランツのWEBショップ
株だけでなく、徒長させにくい用土も販売しています。
SEEDRICの管理思想をそのまま再現できる資材はこちら。

